ルノワールの模写|初心者にもおすすめの練習方法
今回は印象派の巨匠・ルノワールの肖像画を模写してみました。
本物は油絵ですが、今回はデジタルペイントでの作画です。
巨匠の作品なので、普通に油絵で模写するのは大変難しいですが、
デジタルソフトを使用することで一気に、初心者の方にも描けちゃう?練習方法となります。
私の今回の模写の目的は、
光のイメージや色のバランスなどを探る事です。
初心者の方から、
それぞれの段階に応じて練習出来る方法です。
参考にしてみてくださいね。
ルノワールの模写|初心者にもおすすめの練習方法とは?
目的を明確に
今回、初心者の方にもおすすめの練習方法として紹介する作品は、
2018年に模写した2枚のルノワールです。
言わずと知れた印象派の巨匠であります。
中でも私の好きな、特に光の印象が美しい2作品を選びました。
模写をする際は、
モチベーションの上がる作品を選ぶことと、目的をしっかりと持つことが大切です。
使用した画材(ソフト)
本格的に模写するのであれば、色の重ね方なども意識して、同じ画材にするのがベストです。
一方で、やり直しの利く上に様々な効果も試せるデジタルでの作画は、
初心者にも挑戦しやすいうえに、目的を明確にした際の練習方法としては向いています。
この敷居の低さがデジタルツールの良い面でもあり、
特に初心者の方のペイントソフトのスキルアップの練習にもなります。
尚、今回使用したソフトは定番のPhotoshopです。
模写の練習で意識した点
- 明と暗のバランス
- 主色と補色(対比色)の配置
- ルノワールの筆の癖
- よく使う手法
- 全体の色彩のバランス
- ディテールと省略のバランス
ルノワール模写作品1|初心者にもおすすめの練習方法
陽光のなかの裸婦
肌の影の部分は背景に使った色を形に合わせて乗せてみました。
顔の部分などは独特の省略や、筆遣いにセンスを感じました。
こういった自分に全くない部分などもとても勉強になります。
背景は似せていますが、あまり正確ではありません。
実物はもっと筆の勢いを残した感じで複雑に表現されていると思います。
模写練習のポイント
ルノワール模写作品2|初心者にもおすすめの練習方法
読書する女性
次に模写の練習で紹介するのは
若い頃に好きだった人物肖像画作品として心に残っている『読書する女性』です。
ルノワールらしい、色を使いつつ、全体のバランスやセンスなども、
模写の練習をしながら、体感出来たのが良かったです。
模写練習のポイント
模写練習のポイントとして、暗部の色は、背景に使っている色を主に使っています。
こうすると画面全体が馴染むので、ビビットな色を使っても全体のバランスがとりやすいのです。
その後、模写した作品をSNS等に投稿しました。
ペイントソフトでは発色は明度は低いながらも落ち着いた趣でしたが、
投稿した作品を見ると、明らかに発色が悪い気もします。
デジタル作品では、SNS等に投稿した際に色のバランスが変わる事は、経験上よくあります。
もちろん原画を知らないので、想像の域を超えませんが、
個人的な好みで、もう少し明るく表現したい感じです。
作品の画像調整
そこで彩度を上げて調整して再アップしました。こういう場合はデジタル作品はとても便利です。
ここで初心者の方が気をつけないといけないのが、再調整時にやり過ぎると
過度に違和感のある調整になってアップされるので、ここは注意が必要です。
私の元々のイメージや印象を優先して、この様な色合いで調整しました。
色を華やかにすると、トーンがバラバラになりがちなので、特に初心者の方には難しいのですが、
デジタル作品の場合は、魔法の様にその辺りの処理が簡単に何度でも試せます。
その容易さがデジタルツールの良い面でもあり、これも含めてスキルということかと思います。
模写で初心者にもおすすめの練習方法|まとめ
まとめ1|模写の練習方法
ルノワールは印象派の作家なので、油絵の技法としては、古典技法と根本的に違います。
基本的には
ウェットインウェット(絵の具の乾かないうちにどんどんと色を置いていく技法)で描いてます。
天分の趣くままに、感覚を筆に乗せて描く感覚と、特に優しい光の表現が実に上手いですね。
その辺りのセンスを模写で体感するのが今回の目的の一つでもありました。
実際に描いてみると、感覚的な筆使いはその通りなんですが、相当細かいところにまで目が行っており、さらっと洒脱に描いているようでありながら、相当に深く掘り下げて考えつつ、筆は伸びやか。随所に神経が行っているのが分かります。
さすが、巨匠だけの事はあるなという印象でした。
さらにデジタルには無い実際のマチエール(質感)の魅力も原画にはあるので、
それも含めて、今後の良い目標の一つになりました。
まとめ2|模写の練習方法
私は、模写は効果的な練習方法として以前から初心者の方にもお勧めしています。
模写という行為はあまり頭を使わない無心に近い状態ながら、
手だけは感覚に任せて動かす時間が多いです。
つまり正解が目の前にあって、
それと同じように描こうとしても簡単にはその通りにはならない所に学びやヒントが多いのです。
その差異に着眼し、差を埋めることで
初心者の方でも一気に技術レベルが上がる事も珍しくありません。
模写ばかりしていると、自分が上手くなったような錯覚にさえ陥りますがそれでいいのです。
誰もが最初は真似から入るのですから、
モノマネ名人で終わらず継続する事が名人になるという事でしょう。
私の場合も、お客様のご依頼の仕事などでは模写の様な練習や挑戦をするわけにいかないので、
半分リラックスしながら勉強出来る模写は、定期的に取り入れてみたいと思います。
皆さんも是非、模写に挑戦してみてください。勉強になるし楽しいですよ!
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